「宗司さん、宗司さん! 朝だよ。起きてー! いくら休みでも寝すぎると体のリズムが狂っちゃうよ!?」

 突然揺さぶられて、矢上は重いまぶたを開けた。

「あー……おはよう、輝夜」

「おはよう、宗司さん。朝ごはん出来てるよ?」

 朝陽の差し込む寝室で、朝陽より眩しい笑顔を向けてくる。

「朝ごはんより、輝夜が食べたいんだけど」

「な!?」

 慌てて飛び退ろうとした輝夜の腕を軽く引き、自分の上に引き寄せる。
 そのまま彼女の後頭部に指を差し入れて固定して、唇を重ねた。
 啄むように何度もキスをしながら、少しずつ唇を深く割ってゆく。

 蕩けたように力を抜いた輝夜の体を腕で支え、易々と彼女の体をベッドに縫いとめた。

「宗司さん、どいて、よ」

「嫌だね。久々にゆっくりできるんだ。のんびりしようぜ、ふたりで」

「宗司さん、やらしー!」

 輝夜は真っ赤な顔で眉を吊り上げた。

「やらしいってなんだよ、輝夜。朝っぱらからそういうこと考えちまうお前のほうがやらしいだろ」

「なっ、なっ、なんですってぇー!」

 輝夜の顔がさらに真っ赤になった。矢上は肘の上ににやにや笑いの顔を乗せ、慌てふためく彼女を満足そうに眺めた。