デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

シュリの相変わらずの食べっぷりを、桜は少し笑って見ていた。

「王宮でお食事とか、したことあります?」

ふと聞くと、シュリがぶんぶんと首を振る。

「無い無い、俺みたいなペーペーが宮中の食事を口にすることなんて」

「そうなんですね。じゃあ貴重な経験だ」

ふふ、と笑って、自分も食事を口に運んだ。

「でもまあ…やっぱり街に出たかったけどな、お前と」

「うーん、王様に止められてますしねえ」

「ま、今の王都は確かに物騒だからな」

どうやら、シュリも『魔』の襲撃がありそうなことは知っているらしい。

王は限られた人間だけしか知らないとは言っていたが、どこまで知られているのだろう、と桜は思った。

「お前は?うまくやってるか?」

少し笑って、シュリが聞いた。

その眼差しは、さっきソファで抱きしめられたときのように優しくて、そして熱いものだった。

それに気づかないふりをして、桜もここ最近あった事を話す。
「神児さんに会ったんですよ」と話したときには、とても驚かれたので、また話がはずんだ。