デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

どうしよう、早く言わなきゃ。
私なんかにこんな事させちゃいけない。

シュリさんのことは大好きだけど。

何度考えてもそれはやっぱり、頼りになるお兄さんのような、先輩のようなもので。

でも、この世界での初めての私の味方で、本当に心から信じてる。

だから、シュリさんには幸せになってほしい。


シュリの腕に抱かれながら、桜はそう思い、一つ息をつく。

心を決めて顔を上げ、目を合わせた。

「シュリさん」

「ん?何だ桜?」

そうとも知らず、見上げるその表情がまたかわいくて、シュリは少し頬を染めながら微笑んだ。

「あの、私……」

言いかけたその時、戸が叩かれた。

「あっ………はい……」

あわてて身を離し、桜が返事をする。

す、と開かれた入り口から、フラウとルネが顔を出した。

「桜様、夕餉でございます。今日は王都武官のシュリ様がご一緒とのことなので、ご用意させていただきました」

「あっ、ありがとうございます」

完全にタイミングを逸した桜が、テキパキと膳の準備を終わらせた二人を見送りに戸口へ出た。