デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

ずっと見たかったその笑顔に、シュリも目を細めた。

「……やっと、ほんとに笑った」

はっとして桜がシュリを見ると、そのブラウンの瞳が優しく自分を見つめていた。

そっと、シュリの指が桜の髪の房を一筋すくい上げた。

「かわいいな、お前……」

少し切なく、ぽつんとつぶやく。

「あ………」

その声に、桜は現実を思い出した。

そうだ。言わなくてはいけないんだ。

きゅっと唇を噛んで下を向く。

(苦しい……。シュリさんに、こんなに優しい人に)

「桜……会いたかった」

力強い腕が、そっと肩に回されて、抱き寄せられた。そのまま、シュリの温かくてたくましい胸に閉じ込められそうになる。

「あっ、あの……!」

あわてて身を引こうとしたが、さっき王に言われた言葉が脳裏によみがえって、一瞬固まった。

ぎゅ、と抱きしめられた。

シュリは幸せそうにため息をついて、少し日焼けした頬を、桜の黒髪に寄せた。