「言えません……」
紫の目を厳しく細めた。
「なぜだ。言えぬということはなかろう?私とて、そなたを好きだと言った者の一人ではないか」
追及に困って、眉を下げた。
「だめです。王様には言えません」
まるで自分が一番軽い人間と見られているようなその言葉に、カッと頭に血が上って、思わず唇を乱暴にふさいだ。
ガリッと歯が唇に当たり、桜が痛みに顔をしかめた。
じわ、と血の味が広がっていく。
唇を離したあと、王は桜を睨みつけた。
「……小憎らしい娘よな」
「…!」
ズキリと痛む胸に目を見開いて、彼を見返す。
「私がこれ程までに、恥を捨ててみっともない自分をさらしてまでそなたを乞うているのに、私はそなたの中で、答えすらも聞かせる価値がないか」
王の誤解に気づいて、あわてて桜は彼に手を伸ばした。
「違うんです、そうじゃなくて……!」
それをすり抜け立ち上がる。
「もう良い。今日は帰る。明日は私はまる一日おらぬからな。……分かっていると思うが、街になど出るなよ」
「待って、あの」
戸口に向かう王を追って、そっとその手を取った。
それを振り払い、「ああ、そうだ」と冷たい笑いを向ける。
「夕方から、シュリがそなたにここに会いに来る。……せいぜい優しくしてもらうが良い」
立ち尽くす桜を残して、戸が閉められた。
紫の目を厳しく細めた。
「なぜだ。言えぬということはなかろう?私とて、そなたを好きだと言った者の一人ではないか」
追及に困って、眉を下げた。
「だめです。王様には言えません」
まるで自分が一番軽い人間と見られているようなその言葉に、カッと頭に血が上って、思わず唇を乱暴にふさいだ。
ガリッと歯が唇に当たり、桜が痛みに顔をしかめた。
じわ、と血の味が広がっていく。
唇を離したあと、王は桜を睨みつけた。
「……小憎らしい娘よな」
「…!」
ズキリと痛む胸に目を見開いて、彼を見返す。
「私がこれ程までに、恥を捨ててみっともない自分をさらしてまでそなたを乞うているのに、私はそなたの中で、答えすらも聞かせる価値がないか」
王の誤解に気づいて、あわてて桜は彼に手を伸ばした。
「違うんです、そうじゃなくて……!」
それをすり抜け立ち上がる。
「もう良い。今日は帰る。明日は私はまる一日おらぬからな。……分かっていると思うが、街になど出るなよ」
「待って、あの」
戸口に向かう王を追って、そっとその手を取った。
それを振り払い、「ああ、そうだ」と冷たい笑いを向ける。
「夕方から、シュリがそなたにここに会いに来る。……せいぜい優しくしてもらうが良い」
立ち尽くす桜を残して、戸が閉められた。
