デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

苦笑するその顔を、驚いて見つめた。

「え……明日、何かあるんですか?」

「ああ。王都の街に視察に出る。正式に、王として」

「そうなんですか……」

確か、王として街に出るなら大事になると言っていた。だからあまり外に出ないと。

「じゃあ、明日の準備大変ですね」

うなずいて、ソファの背もたれに体を預ける。

「さっきまで、各部署の長にそれを命じていたところだ」

「でも、どうして明日なんですか?もともと決まってたんですか」

「まあな」

浅くうなずいて、横に背筋を伸ばして座る桜の後ろ姿を見る。

その腕を取った。くっ、と引き、自分の胸に抱きしめる。

「わっ……」

桜は緊張で身を固くしたが、シャツ越しからでも伝わる、温かくて柔らかな腕や胸元の感触。

ふぅ、と上に向かって息をついた。

「あ、あ、あの、王様……」

「何だ」

「恥ずかしいん、ですけど……」

「いい加減、この位慣れよ」

「いやそんな……」

ワンピースの向こうでドキドキと暴れる心臓の音が、バレそうだ。