デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

「え?何がですか?」

王が低い声で呟いたその言葉に、桜は顔を上げて聞き返した。

嫌われたくない

  縛りたい

自由なこの心が好きだ

  檻に閉じ込めて、一生愛でたい

誰にでも対等なその優しさを愛している

  触れるのも、見つめるのも、私だけで



まるで正反対の、両極端な感情が揺れる。

「………王様?」

遠くを見るようなその表情に心配になり、桜が遠慮がちに腕に触れた。

ふと、その目線が目の前の黒い瞳に引き戻される。

「ああ…すまない、大丈夫だ」

ぎこちなく笑った。

「お疲れなんですか。お仕事、長引きましたもんね」

首を振って、桜とソファに座った。

「やっと、お話できますねえ」

2日ぶりに、と笑うその顔に、小さく笑い返す。

「そうだな。……明日はまたできないから、今日は貴重だ」