デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

女というのはどうしてこう、足りない頭でムダなことをあれこれと考えるのだろう、とアラエは思った。

さっき、仕事の邪魔をしてきた女官といい、この身の程知らずな醜女といい。

自分が愚かだと理解していない人間ほど、手に負えない者はいない………。

目を伏せて薄く冷笑したところで、何も知らない桜が考えていても仕方がないと思ったのだろう、顎にやっていた手を外した。

「まあ……いいか。私に出来るのは、信じることくらいですもんね」

そう言って、少し驚いて顔を上げたアラエにニコッと笑いかけた。

まるで自分の心をわかった上でそう言われたような気分になり、思わず目をそらす。

「ありがとうございましたアラエさん、どうぞお仕事に戻られてください」

小さく動揺しながら、「はい、では……」と立ち上がった。

ふと、桜は思いつく。

「…あ、そうだアラエさん、喉渇いてないですか」

「は………?」

一瞬意味がわからず、固まって桜を見た。

「お茶一杯どうぞ。注いできますね」

そう言うと、スタスタと部屋の中ほどに戻り、グラスに冷茶を注いで戻ってくる。

「はい」

それを呆気に取られたままのアラエに差し出した。