昼食が終わってしばらくして、戸が叩かれた。
「はい」
桜が返事をすると、微笑みを浮かべたアラエが顔を出し、一礼した。
「桜様、本来なれば今から深宮へのお召なのですが……本日は我が君のご政務が少々長引いておりまして」
初めてのことに、桜は目を丸くした。
「そうですか……」
「はい、なのでもうしばらく待つようにとの、我が君からのご伝言でございます」
「何か、大変なことでもあったんですか?」
大抵のことはそつなくこなしてしまう王が、仕事の時間が押すなんて。
少し心配になって首をかしげた。
するとアラエは微笑みを深くして頭を横に振る。
心の中で、小さく嗤った。
聞いたところで、何ができるというのか。何も持たない醜女なんぞに。
「いいえ、桜様がご心配なさることは何もございません。何もお考えにならず、心安くお過ごしくださいませ」
言葉に皮肉をこめて、また一礼した。
「そうですか……王様、大丈夫かな……」
それには気づかず、ぽつんと呟いた。
……滑稽な女だ。
アラエは優しい微笑みを浮かべながら桜を見て、そう頭の中で言い捨てた。
聡明な主君に何もかも世話になっておきながら、『大丈夫か』などと、傲慢にも程がある。
瞳を蔑みに細めて、彼女を見た。
「はい」
桜が返事をすると、微笑みを浮かべたアラエが顔を出し、一礼した。
「桜様、本来なれば今から深宮へのお召なのですが……本日は我が君のご政務が少々長引いておりまして」
初めてのことに、桜は目を丸くした。
「そうですか……」
「はい、なのでもうしばらく待つようにとの、我が君からのご伝言でございます」
「何か、大変なことでもあったんですか?」
大抵のことはそつなくこなしてしまう王が、仕事の時間が押すなんて。
少し心配になって首をかしげた。
するとアラエは微笑みを深くして頭を横に振る。
心の中で、小さく嗤った。
聞いたところで、何ができるというのか。何も持たない醜女なんぞに。
「いいえ、桜様がご心配なさることは何もございません。何もお考えにならず、心安くお過ごしくださいませ」
言葉に皮肉をこめて、また一礼した。
「そうですか……王様、大丈夫かな……」
それには気づかず、ぽつんと呟いた。
……滑稽な女だ。
アラエは優しい微笑みを浮かべながら桜を見て、そう頭の中で言い捨てた。
聡明な主君に何もかも世話になっておきながら、『大丈夫か』などと、傲慢にも程がある。
瞳を蔑みに細めて、彼女を見た。
