チラ、とアラエは自分より少し端の方にたたずむ金髪の少年を見た。
あの黒髪の娘と、一昨日何を話したのか知らないが。
もともと物静かだったその振る舞いが、一層静かになった気がする。
仕事はそつなく淡々とこなすが、笑うこともなく、怒ることもなく。
近侍は皆表情少なに仕事をするが、カナンは石のような、まるで人形のような。
………生きながら、死にたがっているような。
そんな表現が頭に浮かび、馬鹿なことをと苦笑いして目線をまた前に戻した。
その時、わずかに後ろの執政の間の中が騒がしくなり、間もなくして戸が開かれ、事務仕事を終わらせた王が姿を見せた。
一斉に深く礼をしてひざまずく。
謁見の控えの間に向かうそのあとに、いつものように皆続いた。
歩きながら、アラエはそっとカナンの横に並んだ。
前を向いたまま、小声で話しかける。
「カナン」
伏せられていた、静かな緑の瞳が向けられた。
「……はい」
「お前、王の客人には振り回されたんじゃないのか」
ふっ、と小さく笑ってアラエは瞳だけでカナンを見た。
あの黒髪の娘と、一昨日何を話したのか知らないが。
もともと物静かだったその振る舞いが、一層静かになった気がする。
仕事はそつなく淡々とこなすが、笑うこともなく、怒ることもなく。
近侍は皆表情少なに仕事をするが、カナンは石のような、まるで人形のような。
………生きながら、死にたがっているような。
そんな表現が頭に浮かび、馬鹿なことをと苦笑いして目線をまた前に戻した。
その時、わずかに後ろの執政の間の中が騒がしくなり、間もなくして戸が開かれ、事務仕事を終わらせた王が姿を見せた。
一斉に深く礼をしてひざまずく。
謁見の控えの間に向かうそのあとに、いつものように皆続いた。
歩きながら、アラエはそっとカナンの横に並んだ。
前を向いたまま、小声で話しかける。
「カナン」
伏せられていた、静かな緑の瞳が向けられた。
「……はい」
「お前、王の客人には振り回されたんじゃないのか」
ふっ、と小さく笑ってアラエは瞳だけでカナンを見た。
