執政の間の前では、相変わらず近侍と近衛達が静かに王の仕事が終わるのを待っていた。
そこの廊下は相変わらず人の通りが多いが、王の邪魔にならぬよう、皆気をつけて足を運ぶ。
が、主君の目がない貴重な時間のため、今日も女官や統括部で働く娘達が、少しでも彼らと近づきになろうとやって来ていた。
(……アラエ)
こそっと聞こえた声に、赤銅色の瞳が上げられた。
「………」
すぐにその眉がひそめられ、不愉快そうに顔を歪めた。
昨夜から今朝まで、彼女の部屋で見ていた顔だ。
潤んだ大きな瞳を揺らして、美しい女官はおずおずと小さく謝った。
「ご……ごめんなさい、お仕事中に話しかけるなって言いつけ破って……でもあの……アラエったら、私が寝てる間に行っちゃうんですもの」
「…………」
無視。
心の中で、みっともない真似をして仕事の邪魔をするな馬鹿女と冷たく罵りながら。
「ねえ、次はいつ会えるの?それを聞いてなかったから……」
「………」
「そろそろ、アラエのお部屋に入れてくれるのよね?」
ついに、彼は女官をギリッと睨みつけた。
まったく、この女の褒められる所は身体だけだ。
鬱陶しい性格。足りない頭。
ビクッと身をすくませた女官は青くなり、
「ご…ごめんなさい、アラエ……待ってるから、連絡してね、必ずよ?他の女のとこなんか、行かないでね?」
そう言って、あわてて去っていった。
フン、とアラエは口の端を持ち上げる。
よく言う。自分だって、裏で他の女を蹴落として自分に迫ったくせに。
そこの廊下は相変わらず人の通りが多いが、王の邪魔にならぬよう、皆気をつけて足を運ぶ。
が、主君の目がない貴重な時間のため、今日も女官や統括部で働く娘達が、少しでも彼らと近づきになろうとやって来ていた。
(……アラエ)
こそっと聞こえた声に、赤銅色の瞳が上げられた。
「………」
すぐにその眉がひそめられ、不愉快そうに顔を歪めた。
昨夜から今朝まで、彼女の部屋で見ていた顔だ。
潤んだ大きな瞳を揺らして、美しい女官はおずおずと小さく謝った。
「ご……ごめんなさい、お仕事中に話しかけるなって言いつけ破って……でもあの……アラエったら、私が寝てる間に行っちゃうんですもの」
「…………」
無視。
心の中で、みっともない真似をして仕事の邪魔をするな馬鹿女と冷たく罵りながら。
「ねえ、次はいつ会えるの?それを聞いてなかったから……」
「………」
「そろそろ、アラエのお部屋に入れてくれるのよね?」
ついに、彼は女官をギリッと睨みつけた。
まったく、この女の褒められる所は身体だけだ。
鬱陶しい性格。足りない頭。
ビクッと身をすくませた女官は青くなり、
「ご…ごめんなさい、アラエ……待ってるから、連絡してね、必ずよ?他の女のとこなんか、行かないでね?」
そう言って、あわてて去っていった。
フン、とアラエは口の端を持ち上げる。
よく言う。自分だって、裏で他の女を蹴落として自分に迫ったくせに。
