デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

ほどなくして、薬が練りあがった。

『よし…おいシュリ、傷薬が出来たから、手洗ってその娘の傷口に塗れ。左腕の傷が深いから、注意しろよ』

『ん』

薬を受け取り、シュリは桜が横たわるベッドの脇に座り、そっとマントの裾をたくし上げた。

脚にある、たくさんの擦り傷が痛々しい。

『…手ひどい扱いを受けたんだな』

顔をしかめて、そっとその傷一つ一つに長い指で薬をすりこんでいく。


「…ん……」


シュリの指が膝の傷を癒している時、くすぐったいような、しみるような感覚に、まどろんでいた桜の意識がふと覚めた。

見覚えのない天井。

漢方薬のような、鼻をつく匂い。

「ひゃあ!?」

ふと下に視線を向け、まるで姫君にかしずく騎士のように、自分の脚を持つシュリを見て素っ頓狂な悲鳴をあげた。
とたんに、一気に目が覚める。