デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

(もう……何言ってんだか、王様……)

部屋に帰った桜は、ソファに腰掛けて、頭をかく。
鼻から息をついて、背もたれに体を預けた。

(やっぱり王様もさすがに神経質になるのかな。エヴァさんの神力が使えなくなる時間が近いと。だから、私にもあんなふうに言うのかな……)

また、あさっての方向へと想像が羽ばたいていく。

(変な心配しすぎだよ。エヴァさんはたしかにすごい美形だけど、なんていうか、やっぱり友達っていうか、まるで妹みたいっていうか……)

頬杖をついて、思わず心の声が出た。

「……私が好きなのは……王様なのになあ」

瞬間、ハッと顔を赤くして、「あわひゃひゃ!」と謎の鳴き声を上げて思わず辺りを見回した。

カラカラ。

「失礼いたします」

「わあぁっ!!」

突然聞こえたフラウの声に、飛び上がった。

女官の二人も驚いて、夕餉の膳の食器が音をたてた。

「も、申し訳ありません桜様。驚かせてしまいましたのね」

「あっ……」

赤い顔のまま、二人へ振り向いた。

「き、きき聞いてました!?」

「えっ……?」

「ななな何でもないです!」