デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

「予想はしていたが、帰りが遅くなったな。神児と話がはずんだか」

ふん、と薄く笑う。

「お迎えに、来てくださったんですか」

「そなたの馬車が、神宮を出たときに知らせがあったのでな」

「そうですか…」

エヴァの心配りだろう。

桜は王の顔を見上げて笑った。

「ありがとうございます、王様。ただいまです」

桜にしたらなんてことのないその言葉に、王は少し驚いて、微笑んだ。

「ああ。……おかえり」

桜の騎乗に手を貸し、自らも鞍にまたがって、ゆっくりと馬を進め始めた。

きちんと整備された石畳の道に沿って、おびただしい数のかがり火が並んでいる。その明かりに照らされながら、桜は今日あったことを話した。

「神児さんて、すごい美人だったからびっくりしました。王様と張っちゃうかも。しかもすごくいい子で」

「そうか」

「だから、すぐ仲良くなれたんですよ。でも少し寂しそうにしてたなあ」