キョトンとする桜にもう一度笑いかけ、また一緒に歩き始める。
白い玉砂利をゆっくりと踏みしめながら。
「長らく、こうして人と別れるという事をしていませんでしたから…この寂しさを忘れていました」
「そうですか…」
「ええ。子供の頃、ごくまれに私の様子を見に来た両親と別れなくてはならない時間に、よく泣いて困らせたものです」
微笑んだあと、エヴァは桜を見つめた。
「本当に、今日は楽しかった。またあなたが来てくれるというだけで、分化が少しだけ楽しみにすらなりましたよ」
ちょうど門の前に着いて、来たときと同じように白木の扉を開けると、馬車がきちんと待っていた。
おもむろに、エヴァがその懐に手を入れた。
取り出したのは、簡単に四つに折られた白い紙。懐紙だ。
それを広げ、ふうっ、と息を吹きかけた。
そして、それを目を丸くする桜に差し出す。
「桜さんも、息をかけて」
戸惑いながら、桜が小さく息をかける。
スッ、スッと何かをなぞるように紙の上で指を動かしたあと、また軽く息をかけた。
すると、紙がひとりでに折られていく。
みるみるうちにその造形は細かくリアルなものになり、呆気にとられる桜の目の前で、白い小鳥になってエヴァの長い指先に止まり小首をかしげた。
「わあ……」
黒い目を輝かせて、驚きとともにそれを見つめる。
白い玉砂利をゆっくりと踏みしめながら。
「長らく、こうして人と別れるという事をしていませんでしたから…この寂しさを忘れていました」
「そうですか…」
「ええ。子供の頃、ごくまれに私の様子を見に来た両親と別れなくてはならない時間に、よく泣いて困らせたものです」
微笑んだあと、エヴァは桜を見つめた。
「本当に、今日は楽しかった。またあなたが来てくれるというだけで、分化が少しだけ楽しみにすらなりましたよ」
ちょうど門の前に着いて、来たときと同じように白木の扉を開けると、馬車がきちんと待っていた。
おもむろに、エヴァがその懐に手を入れた。
取り出したのは、簡単に四つに折られた白い紙。懐紙だ。
それを広げ、ふうっ、と息を吹きかけた。
そして、それを目を丸くする桜に差し出す。
「桜さんも、息をかけて」
戸惑いながら、桜が小さく息をかける。
スッ、スッと何かをなぞるように紙の上で指を動かしたあと、また軽く息をかけた。
すると、紙がひとりでに折られていく。
みるみるうちにその造形は細かくリアルなものになり、呆気にとられる桜の目の前で、白い小鳥になってエヴァの長い指先に止まり小首をかしげた。
「わあ……」
黒い目を輝かせて、驚きとともにそれを見つめる。
