デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

食事のあとは、そのまま二人で部屋でくつろぎながら話をした。

「エヴァさん、いつもお仕事のとき以外は何をして過ごしてるんですか」

「そうですね……宮の敷地を歩いたり、書物を読んだりしてます」

「そっか……私、こちらの文字が読めないんですよね…本が読みたいと思っても」

苦笑いすると、ニコッと笑ってエヴァは言った。

「読めるようにしましょうか?簡単ですよ」

そうだ、この優しげな外見でつい忘れてしまうが、目の前のこの美人はこの世で一番の神力の使い手でもあるのだ。

が、桜は首を振った。 

「いえ……自分で少しずつ覚えます」

「そうですか」

断られたのが意外だったのだろう、目を丸くした。

「そういえば、桜さんの世界には神力が無いんでしたね」

「ええ」

「……桜さんの世界なら、私もただの人間なんでしょうね。あなたとも、異世界の旅人と神児ではなく、友人……でいられるんでしょうね」

そっと笑って、目を伏せた。
桜はうーん、と首をひねる。

「どうだろ……エヴァさん、きっと私の世界なら女優さんとかモデルさんになっちゃって、やっぱり手が届かない人だったかもしれないですよ。すっごい綺麗だもん」

「そ、そんな……」と、ポッと照れる若い神児。

「だから、こっちの世界で出会えて良かったです。こうして、お話できるじゃないですか」