デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

結局、宮の数ある一室で食事をとることになった。

膳が整った後も、しょんぼりとその長いまつ毛を伏せているエヴァ。

「わあ、美味しそうですね。王宮とはまた違った感じ……。食べましょうよ、エヴァさん」

その姿が何だか可哀想で、桜はわざと元気に言った。

つと、アイスブルーの瞳が桜を見た。

「桜さんは……王とお食事はしたことはありますか」

ぽつんと聞く。
いきなりどうしたのかなと思いながらうなずいた。

「二回だけですけど…」

「王の部屋で?」

「そうですね……はい」

「………」

キュッと唇を閉じて、エヴァは膝のあたりを握りしめた。

「王が羨ましい。……ほんとは、私も私の部屋であなたと食事がしたかったです」

男性でも女性でもないというが、そうやって少し頬を赤くして小さく言う様は、儚げな少女そのものだ。

桜は胸にキュンと湧くいじらしさに、そっと近くに寄ってエヴァの手を取った。

「じゃあ、それはまた今度にしましょう。また、エヴァさんに会いに来ていいですか?」

「桜さん……」

大きな瞳をこちらに向け、やっと笑ってこくんとうなずいた。

(はぁ……カワイイ……守ってあげたくなっちゃう)