デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

ぐぅう〜……。

あまりにも間の抜けた音が、静かで清らかな庭に聞こえた。

「わぁっ!」

桜はあわててお腹を押さえた。

「ご、ご、ごめんなさい!今日朝ごはんの時間が早くて!!」

もう!なんなのこのタイミングで!

耳まで真っ赤になって、あわあわと動転しまくっている。

真面目な話をしてたのに、こんなきれいな子の前でデブスがお腹を鳴らすなんて、今時マンガでも無いような陳腐すぎる失敗だ。

エヴァはというと、キョトンと目を丸くして桜を見たが、ふふ、と微笑んで、

「もう昼ですね。ごめんなさい桜さん、気が付きませんでした……あまりにあなたと話すのに夢中になってしまって」

立ち上がり、そっと桜の手を引いた。

その気遣いに、余計に恥ずかしくなる。

赤い顔でうつむいたまま、エヴァに手を引かれながら庭を抜け、真っ白な宮の中へと戻った。

廊下でエヴァがおもむろに手を叩くと、すぐに無表情の女官がどこからともなく姿を現し、ひざまずいて頭を垂れた。

「昼餉を二人分用意してください。私の部屋に」