デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

はあ…女でよかった。

少し顔を赤くした桜はそう思った。

(男だったら絶対好きになってたよ。こんな美人で性格よくて、こんなこと言われたら)

「あだ名で呼びましょうか。神児さんの名前が、他の人にわからないように」

ちょっと失礼かなと思ったが、思い切ってそう提案してみる。

「え…!あだ名ですか」

意外だったのだろう、パッとその表情が輝いた。

「いいでしょうか」
「はい!」

ふふ、と桜は笑って、少し恥ずかしそうに呼んでみる。

「じゃあ……エヴァさん」
「はい」

心底嬉しそうに、にっこり笑って神児は返事をした。

(はぅ…やばい……すっごいカワイイ)

その、まだ幼さが残る笑顔に、きゅーんと胸が絞まった。

そのまま庭を歩きながら、しばらく話をする。

桜の世界の話に、王と同様、神児もたちまちのうちに魅了されたようで、矢継ぎ早に質問をしてはその瞳を輝かせていた。