「桜さん……」
「あんまりうまく話せないですけど…良かったら。神児さんの事も、せっかくだからもっと教えてほしいかな…って」
照れくさくて、興味ありませんと言われたらどうしようと思いながらおずおずと言う。
「……エヴァネル」
「え?」
ほんのりと、その陶器のような頬に淡紅がさしている。
「私の名前です。今は亡き両親が、私が小さい頃……『もし心から仲良くしたいと思う人ができたら教えなさい』と」
「神児さん……」
「本当は……神児の名を他人に明かすのは禁忌とされているのですが。私の両親は少しだけ、私が神児としてではなく、人としての喜びをも得てほしいと思ったのかもしれません」
「そうですか……優しいご両親だったんですね」
桜が微笑むと、少しだけ目を細めた。
「あまり言葉を交わした思い出はないんですが。神児になる子供は早々に離宮に住まわされますから」
そっと桜の手を引き、嬉しそうに笑った。
「こうして誰かの手を握るのなんて、本当に久しぶりです。毎日私は清室で神のお言葉を聞いて、王宮に届けることの繰り返しですから。それに」
またゆっくりと歩き始める。
「ひざまずかれずに、目と目を合わせて話すのも、本当に滅多にないことなんです。ありがとう、桜さん」
キュッ、とその長い指が、桜の手を握った。
「あんまりうまく話せないですけど…良かったら。神児さんの事も、せっかくだからもっと教えてほしいかな…って」
照れくさくて、興味ありませんと言われたらどうしようと思いながらおずおずと言う。
「……エヴァネル」
「え?」
ほんのりと、その陶器のような頬に淡紅がさしている。
「私の名前です。今は亡き両親が、私が小さい頃……『もし心から仲良くしたいと思う人ができたら教えなさい』と」
「神児さん……」
「本当は……神児の名を他人に明かすのは禁忌とされているのですが。私の両親は少しだけ、私が神児としてではなく、人としての喜びをも得てほしいと思ったのかもしれません」
「そうですか……優しいご両親だったんですね」
桜が微笑むと、少しだけ目を細めた。
「あまり言葉を交わした思い出はないんですが。神児になる子供は早々に離宮に住まわされますから」
そっと桜の手を引き、嬉しそうに笑った。
「こうして誰かの手を握るのなんて、本当に久しぶりです。毎日私は清室で神のお言葉を聞いて、王宮に届けることの繰り返しですから。それに」
またゆっくりと歩き始める。
「ひざまずかれずに、目と目を合わせて話すのも、本当に滅多にないことなんです。ありがとう、桜さん」
キュッ、とその長い指が、桜の手を握った。
