デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

「そ…そうですか」

ますます赤くなってうつむき、頭をかいた。

「桜さん、良かったら庭で話の続きをしませんか」

神児が小首をかしげ、そっと桜の手を取った。

はぁあ……かわいい……断れる人なんか、いるわけないよね……。
さっきは引いてしまったけど、こんなにかわいくて美人なら、盲信しちゃうのも分かる気がしちゃったり……

「桜さん?」

腰の下まである絹糸のような銀髪が、さら、と揺れた。

はっ。

「あっ…はい、ぜひ」

我に返って、あわてて立ち上がる。

「こっちです」

嬉しそうに笑って、桜の手を引いて歩き始めた。

(しかも、めちゃめちゃいい子だ……)

王と並び立つ、この人の世の頂点にいる人なのに、全く偉ぶった感じはしない。

しばらく真っ白な廊下を歩いて、広い中庭に出た。

王宮のように広大な緑の広がる、みずみずしい庭ではない。
枯山水のような静謐なもので、やっぱり白い玉砂利が一分の隙なく敷かれ、鏡のような澄んだ池があった。

「なんか、すごいですね、ここって……全部真っ白で、静かで」