デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

「人が笑ってくれるというのは、嬉しいものですね」

「神児さんのおかげです。こんなに美人なのに、おもしろくて」

ふふふ、とまた笑う桜に、少し照れたように笑顔を返した。

「……かわいい人ですね、桜さん」

「え」

こんな絶世の美人に、面と向かってかわいいと言われ、思わず固まったまま赤くなった。

(お、お、女の子なのに……)

かなりドキドキする。

世間ずれしていないのか、人を褒めることに抵抗がなさそうだ。

(こういうことだったのかな、王様が釘を刺したのは)

「いや……そんな……いいですよ、お世辞なんて。でもありがとうございます」

顔を赤くしたまま、パタパタと手で頬をあおいだ。

「お世辞ではありません。表情豊かで、とってもかわいい。いつまでも話していたくなります。……王が執心するのも分かります」

「えっ?!」

驚いて固まると、神児は少しいたずらっぽい表情に。

「私の使者は、ああ見えて人の表情を見るに敏いんですよ。……あなたに会いたいと言った時の、王の渋りっぷりは聞いています」

神力を使わなくとも分かります、と笑った。