デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

そういえば、シュリやあの老神官も同じことを言っていた。
曖昧な神告だったと。

「はるばる、いきなり違う世界に放り込まれて、さぞご不安だったでしょう。……頑張られましたね」

優しく、いたわるような言葉が桜に向けられた。

「ああ、いえ………もうだいぶ慣れてきましたし……」

まだ神児の眩しさになれない桜は、しどろもどろでそう言う。

それを聞いて、神児はまたにっこり笑った。

「王は、あなたを大切になさっているようですね」

「は……」

思わずポッと頬を染めてしまう。

「でも、私も早くお会いしたかったのですよ。どういう方なのだろうかと。異世界の旅人が流れ着くなんて、何百年、何千年に一度の珍事ですから」

「そうなんですか……」

「ええ。なのに王ばかりあなたを独占して、ズルイです。私だって、あなたのお話を聞きたかったんですから」

「へっ」

その口元を、小さくすねるように尖らせる神児。その表情も、何とも愛らしい。

(な……なんか、思ってたより普通っていうか……)

目を丸くする桜。

それに気づいたのか、神児がクスッと笑って片目をつぶった。