デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

「到着いたしました。ご案内いたします」

使者が一礼し、桜の先に立って歩き出す。

白い玉砂利のようなものが敷き詰められた道を通り、白い塀にある大きな入り口へ。

キイ、と白木の戸を開けると、一面に玉砂利が敷かれた大きな広場があり、その向こうにこれまた真っ白な屋敷が、左右対称の広い屋根を広げて建っていた。

ジャク、ジャク、と一定のリズムで砂利を踏みしめ、真っ直ぐその建物の正面へと進み、木の階段を上る。
階段を登りきったところから廊下が始まっていて、桜は履物を脱ぐよう言われた。

内部も、全てが白い壁と白木でできた、真っ白な建物。

(………落ち着かない……)

桜は思う。何でこんなに真っ白にしてあるんだろう。

それに。

(人があまりいない……)

ものすごく静かだ。門番もいないし、王宮のように仕事に追われる者たちが慌ただしくしているわけではない。

この使者と同じような女が時折すれ違っては、桜に無表情に深い礼をするくらいだ。

(怖くないのかな、私の髪が)

そう思うが、すぐにさっきの馬車の中でのやり取りを思い出して首を振った。

しばらく黙ったまま歩き、建物の奥深くと思しきあたりまでやってきた。