デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

森の中のなだらかな坂を、馬車は進んでいく。

王宮の表門側には王都の街が広がっているが、神宮に続く裏門からは一転して、このとても大きな山につながっているようだった。
山の向こうにはまた街があるのかもしれないが、それをここから見て確かめることはできなかった。

どうも、神宮というところはこの山の中にあるらしい。

(結構かかるんだな。勝手に王宮からすぐ近くなんだと思ってた)

そんな事を思いながら、流れる森の木々を見つめる。

朝の日の光を浴びて、きらきらと葉が輝いていた。

しばらくして、次第に馬車の速度が落ち始める。周りの木も、うっそうとしたものからだんだんとその背が低くなってゆく。

そしてついに森を抜けた。

その光景に、目を見張る。

(わあ……)

おそらくこの大きな山の頂上なのだろう。あくまで青い空の下、驚くほどの大きな敷地に、真っ白で大きな建物がいくつか目の前に現れた。

どちらかというと中国の城のような壮麗なイメージの王宮に対し、より繊細で優しげな平屋作りのその宮は、日本のそれに近かった。

もちろん大きさは王宮とは比べ物にならないが、それでも長い白壁がぐるりとその優美な建物を取り囲んでいた。

(王宮神処も真っ白だったけど、ここも真っ白なんだな)

圧倒されながら、そんな事を思った。