神宮への馬車は白木でできていて、二頭の白馬に引かれて走る。
その手綱だけが、桜に向かい合って静かに座る使者の帯と同じように緋色をしていた。
化粧っ気のないその顔は、年齢がよく分からない。
眠っているかのように目を伏せ、人形のように座っていた。
そのあまりな沈黙に耐えかねて、桜がおずおずと口を開く。
「神宮って、王宮の裏門から出て行くんですね。初めてです、裏門使ったの」
「……………」
「あ、あの……神児さんて、どんな方なんですか。私17なんですけど、年上かなあ」
「……………」
はう……。
桜の言葉など聞こえていないかのごとく、沈黙とともに座り続けている。
「ええと…あの、もしかしてこの髪とか目が怖かったりします?私『魔』じゃないですからね、食べちゃったりしませんよ」
笑って見せるが、答えどころか表情も変えない。
はあ……と心の中でため息をついて、口をつぐんだ。
と、わずかに使者の目が上げられて桜を無表情に見た。
「あなた様が『魔』ではないことは、承知いたしております」
その手綱だけが、桜に向かい合って静かに座る使者の帯と同じように緋色をしていた。
化粧っ気のないその顔は、年齢がよく分からない。
眠っているかのように目を伏せ、人形のように座っていた。
そのあまりな沈黙に耐えかねて、桜がおずおずと口を開く。
「神宮って、王宮の裏門から出て行くんですね。初めてです、裏門使ったの」
「……………」
「あ、あの……神児さんて、どんな方なんですか。私17なんですけど、年上かなあ」
「……………」
はう……。
桜の言葉など聞こえていないかのごとく、沈黙とともに座り続けている。
「ええと…あの、もしかしてこの髪とか目が怖かったりします?私『魔』じゃないですからね、食べちゃったりしませんよ」
笑って見せるが、答えどころか表情も変えない。
はあ……と心の中でため息をついて、口をつぐんだ。
と、わずかに使者の目が上げられて桜を無表情に見た。
「あなた様が『魔』ではないことは、承知いたしております」
