謁見の間の外に着いて、そのままアラエと待つ。
中ではすでに神児の使者と王との謁見が始まっているようで、内容は分からないが小さな声がうっすら漏れ聞こえてきた。
(何話してるんだろう)
そんな事を思いながら、黙って戸を見つめていた。
並んで立つアラエが、ちらりとその赤銅色の瞳で桜を見た。
キメの細かい、白い肌をしているが、真っ黒な長い髪に、お世辞にも美しいとは言えない顔と体。
だが、さっきのあの素直な言葉と黒い瞳の微笑みが、心に焼き付いている。
顔をわずかにしかめて目をつぶった。
(……疲れてるのか。こんな、よくわからない気の迷いにとらわれるなんて)
今夜は公宮で働くパートナーと会う約束をした日だ。
ぱっちりとした大きな目と、花のような唇を持つ、華奢な美しい女。
まあ、肉欲を満たしたり、連れて歩くのにはいい女だ。余計な知恵が働かないところもいい。
(あれと会ったら、少しはこのよくわからない動揺も元に戻るだろう。……それくらいは役に立ってもらわねば)
ただでさえ、結婚を匂わされて鬱陶しくなり始めているのだから。
フン、と薄く笑って、アラエは前を向いた。
中ではすでに神児の使者と王との謁見が始まっているようで、内容は分からないが小さな声がうっすら漏れ聞こえてきた。
(何話してるんだろう)
そんな事を思いながら、黙って戸を見つめていた。
並んで立つアラエが、ちらりとその赤銅色の瞳で桜を見た。
キメの細かい、白い肌をしているが、真っ黒な長い髪に、お世辞にも美しいとは言えない顔と体。
だが、さっきのあの素直な言葉と黒い瞳の微笑みが、心に焼き付いている。
顔をわずかにしかめて目をつぶった。
(……疲れてるのか。こんな、よくわからない気の迷いにとらわれるなんて)
今夜は公宮で働くパートナーと会う約束をした日だ。
ぱっちりとした大きな目と、花のような唇を持つ、華奢な美しい女。
まあ、肉欲を満たしたり、連れて歩くのにはいい女だ。余計な知恵が働かないところもいい。
(あれと会ったら、少しはこのよくわからない動揺も元に戻るだろう。……それくらいは役に立ってもらわねば)
ただでさえ、結婚を匂わされて鬱陶しくなり始めているのだから。
フン、と薄く笑って、アラエは前を向いた。
