デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

こうして一人で深宮に向かって渡り廊下を歩くのは滅多にないことだ。

いつもなら王と話をしている時間だし、この間までカナンが、そして今はアラエが共に歩いていたから。

(あ、でも前に一度あったっけ)

ここに来て間もなくの時、王の様子が気になって深宮まで行ったことがあった。

そして、薄紅女官に体よく追っ払われた。

無性に悲しくて、虚しかった。

(……今思うと、もしかしたらあの時にはもう……アレだったのかもしれないなあ、王様の事が)

『好き』という単語を心で呟くのにも照れくさいと感じてしまう。

(あの時は王様に会えなかったけど)

今日はどうかな。

これからの自分を占っているようで、少し緊張しながら真っ直ぐな渡り廊下をてくてく歩く。