デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

パタン、とドアを閉めたあと、ふぅっと息をつく桜。

(……良かったんだよね、きっと)

だが。


(…………?)


何だか……少し、さっきのカナンの微笑みが気にかかるような。

しかし、桜は頭を振った。

(私も、カナンがそばにいるのが当たり前になってたんだ、きっと。寂しいんだ……)

別に喧嘩別れしたわけじゃないし、カナンはこれからも王宮にいるんだし。

(またきっと、会って話をすることもあるよね)

その場を後にし、もと来た道を歩き出した。



しばらくうつむきながら歩いて、さてと、これからどうしようかな、と考える。

まだ夕方までにはだいぶ時間がある。

(王様の所に、戻ろうかな)

明日も話ができないなら、せめて少しでも役目を果たしたほうが……。

そう考えて、人知れずポッと頬を染めた。

……じゃなくて。

私が、お話したいんだ。王様と。

思わず両手で顔を挟んで、ゴシゴシこする。
シディが見たら『やめなさいッ!子豚ッ』なんて怒られそうだが。