デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

笑うと頬のところにえくぼができて、その時だけ少し幼く見える。それが彼の爽やかさを際立たせていた。

だが、桜は困惑していた。

「あの……すみません、カナンは………今日、お休みなんですか?」

するとアラエは、少し困ったような笑顔になって、静かに言った。

「いえ……カナンは、この連絡係の任を解かれましたゆえ。私が引継ぎをいたしました」

「ええっ?」

驚き、動揺する。

(何で……?)

すぐに思い至るのは、やはり昨日のことだ。

昨日、あんなことになったからだろうか。

やっぱり、私の事が嫌になって。カナンの気持ちに、応えられないから。
それとも、王様に知られて、怒られたのかな。

気まずくなったり、前のようには話せなくなるとは覚悟していたが、こんなにいきなり会えなくなるとは思ってもみなかった。

改めて、カナンとは深宮までのこの往復の時間が、唯一の絆だったのだと思い知った。
そんな桜の心情をなんとなく察したのか、アラエはそっと
言った。

「きっと、我が君からもお話があられるかと存じます。…ともあれ、深宮へ参りましょう」