デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~


(見つかんなかったな……)

ふるわない食欲で、もそもそと昼食をとりながら、桜は思った。

本当に部屋中探したのだが、やっぱりあのネックレスは見当たらなかった。

(はあ……傷つけただろうな……カナンのこと)

どうしようもないとは言え、今更ながらに自分の中のカナンの存在の大きさに気づいた。

また、普通の友人のように話せる日が来るだろうか。

虫がいいとは分かっていても。

(でも、毎日顔を合わせるから、少しずつ……元に戻らないかな)

何も知らない桜は、淡い期待を抱く。


しばらくして、フラウとルネが下膳にやってきた。

「桜様、お食事はお済みですか?」

「あ…はい、ごちそうさまでした」

ぺこん、と頭を下げる桜を、少し心配そうな目で見つめた。

「恐れ入ります桜様、何か…お体のご不調でも?」

「え?いえ………そんなことないですけど…」

首を振ると、そうですか……と呟き、フラウが眉を下げて言った。

「昨日、私調子に乗って、桜様に余計なことを申し上げたんじゃないかって……」

それに驚いて、桜は思わずフラウの肩にそっと手を置いた。

「そ、そんなことないですよ!むしろ…」

自分の気持ちに、気付くことはできた。

こうして痛みは伴うけど。

(そもそも私が鈍いから悪いんだよなあ……普通なら、もっとうまくできるんだろうけど)