デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

唇を噛んで、じっと耐えるように自分に身を任せる桜。

そんな彼女を見て、どんどん増す胸の痛み。

ゆっくり、その身にまとっていた最後の下着を取ると、

「………っ」

たまらずその白い顔が横を向き、一度薄く黒い瞳がのぞいたあと、何かをあきらめるようにそっと閉じられた。

……桜が好きだ。だから欲しい。誰にも渡したくない。

けれど自分のその望みのために、ほかでもない、愛しくてたまらない彼女本人に、愛する人をあきらめさせようとしている。

せめて、思い切り拒絶してくれれば。罵倒してくれれば、自分も激情に任せてしまえるのに。

誰よりも大切な人に、自分が耐えられない事を、させようとしている―――。

奥歯を噛みしめて、かたく目をつぶった。

トス、と桜の胸元に額を落とす。その金髪が、素肌をくすぐった。
そのまま動かないカナンに、桜はふと目を開けた。

「……カナン?」

小さなその声に、ゆっくり顔を上げた。

「…なぜだ」

「え……?」

「何で、されるがままになってるんだ。何で、抵抗しないんだよ!」

苦しそうに目を細めて、桜を見た。