デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

昨夜。

組み敷いた最愛の黒髪の少女に、外の激しい雨音も耳に入らないほどの、深くて狂おしい口づけをしながら、カナンはよどみなくワンピースを脱がせていく。

その表情をうかがうと、羞恥にきゅっと引き結んだ唇とまつ毛が震えている。

一切の抵抗はなく、ただされるがままになっていた。

「………」

ずっと望んでいた事だったのに、少しずつ戸惑いが生まれていく。

(虚しくないのか。……桜の心は、私にはないのに)

そんな自分の囁きが聞こえた。

それを振り払うかのように、白い肌への愛撫がいっそう熱を帯びた。

スルッ、と胸を覆う下着を取り去る。

小さく息を呑む音が聞こえて、桜の両手がシーツをそれぞれ握りしめ、小刻みに震えていた。

その青くなった顔に、胸がズキリと痛んだ。

(酷いことを……しようとしている)

こんな自分に好かれたばっかりに。優しくしただけなのに。

だが、欲しい。桜が欲しい。

(私には、この娘しかいないんだ。卑怯な手でも、桜を私のところまで引きずり込まなければいけないんだ)

そうでなければ、もう彼女が手に入ることなんか、永遠にないだろう。