デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

起き上がろうとした顔の両横のシーツに、バシッ、と衝撃が走った。

「っ!」

体を強張らせ、また目をつぶる。

腰のあたりに、重さを感じた。

ハッとして目を開けると、馬乗りになったカナンが、両肘を折り、震える拳を彼女の耳のすぐ近くに埋めていた。

「カナ……」

「……もう、たくさんだ」

低く呟く。

次の瞬間、その手が黒のベアトップの胸元をつかんで引き下ろした。

「きゃ……!やめ、やめて!カナン!」

青くなって、下着の胸を覆おうとする。

「黙れ!」

叩きつけるように言い、白くて柔らかな両手首を力任せに握って寝台に留めた。

「い……っ!」

また、痛みに顔を歪める桜を、激しい感情に目を細めて見た。

「口先だけの言葉なんかいらない。そんなものを信じて、惨めになるのはもうたくさんだ!!」

「カ…ナン……」

怯えに震える桜を、どこか泣きそうな表情で睨みつけた。

「お前の言うことが真実なら、本当に私をきれいだなどと言うのなら、お前も私と同じくらい汚れてみせろ!!」