デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

そのきれいな顔を歪め、ぎゅっと目をつぶって、何かを振り払うように頭を振った。

「嘘だ」

「嘘じゃないよ」

「嘘だ!」

「違うよっ!」

一片の迷いもない、桜の眼差しと声。
初めて彼女が自分に頭を下げて謝った時と、それは何も変わらなかった。

ぐぐっ、と歯を食いしばり、体が小さく震えた。

「………」

目を開き、暗い緑の瞳が桜を見据えた。

乱暴に着物の裾をさばきながら、大股で彼女に歩み寄る。

ガッ、とその腕を強い力でつかむと、そのまま部屋の奥へ引きずっていく。

「痛…!」

顔をしかめて小さく悲鳴を上げる彼女を、寝台へ投げ打つように放した。

「きゃっ」

横向きに倒れ、思わず目をつぶる。