情けなさと、恥ずかしさと、そしてその手の優しさがどうしようもない絶望感になって、苦しく胸を締めつけた。
「はぁ……っぐ、う……」
なおも嘔吐しながら、カナンの瞳には薄っすらと涙がたまっていた。
しばらくしてようやく胃の突き上げが治まり、下を向いたまま、荒い息を繰り返す。
ずっと背中をさすり続けていたその手が止まり、今度はなだめるように、金の髪がなでられる。
「何か、拭く物もってくるよ。きつかったね。…頑張ったね、カナン」
その、残酷なほどに穏やかな声と言葉が、心にそっと寄り添う。
こんな時ですら、こんなにも。……こんなにも。
ギリッ、と歯を食いしばった。白くなるほど握られた拳が、ぶるぶる震えた。
「……るな」
「え?」
「触るな!!」
鋭く叫んで、桜の手を振り払った。
手で乱暴に口元をぬぐい、立ち上がる。足早にその場を後にして、湯殿の戸を開け部屋に出た。
「カナン……」
まだ少しふらつく彼の足取りに、少し慌てて後を追った。
「はぁ……っぐ、う……」
なおも嘔吐しながら、カナンの瞳には薄っすらと涙がたまっていた。
しばらくしてようやく胃の突き上げが治まり、下を向いたまま、荒い息を繰り返す。
ずっと背中をさすり続けていたその手が止まり、今度はなだめるように、金の髪がなでられる。
「何か、拭く物もってくるよ。きつかったね。…頑張ったね、カナン」
その、残酷なほどに穏やかな声と言葉が、心にそっと寄り添う。
こんな時ですら、こんなにも。……こんなにも。
ギリッ、と歯を食いしばった。白くなるほど握られた拳が、ぶるぶる震えた。
「……るな」
「え?」
「触るな!!」
鋭く叫んで、桜の手を振り払った。
手で乱暴に口元をぬぐい、立ち上がる。足早にその場を後にして、湯殿の戸を開け部屋に出た。
「カナン……」
まだ少しふらつく彼の足取りに、少し慌てて後を追った。
