そんな彼に、追い打ちをかけるように王の言葉が耳に届いた。
「……そういえばそなた、今しがた気になることを言ったな」
「え?」
「『我慢はお互い様』と言ったではないか。『我慢』しているのか?私と同じように。……『我慢』とは、嫌なことを耐えるという意味だろう。嫌なのか?私と、薄紅女官との事が。……何故?」
(………!)
思わず、また二人へと目線を移した。
嫌な汗が、薄っすらとその額に浮かんだ。
桜に握った手を解かれた時に出来た、針の刺し傷のような心の痛みが、ゆっくりと大きくなっていく。
凍りついたその緑の瞳に、王が桜の頬に口づけを落とすのが映った。
そして。
「……待っている」
愛おしそうな、その声音。黙ったままの彼女。
「……………」
遠ざかる王の足音を聞きながら、カナンは見開いたままの瞳を揺らして、ランプの光を見つめていた。
「……そういえばそなた、今しがた気になることを言ったな」
「え?」
「『我慢はお互い様』と言ったではないか。『我慢』しているのか?私と同じように。……『我慢』とは、嫌なことを耐えるという意味だろう。嫌なのか?私と、薄紅女官との事が。……何故?」
(………!)
思わず、また二人へと目線を移した。
嫌な汗が、薄っすらとその額に浮かんだ。
桜に握った手を解かれた時に出来た、針の刺し傷のような心の痛みが、ゆっくりと大きくなっていく。
凍りついたその緑の瞳に、王が桜の頬に口づけを落とすのが映った。
そして。
「……待っている」
愛おしそうな、その声音。黙ったままの彼女。
「……………」
遠ざかる王の足音を聞きながら、カナンは見開いたままの瞳を揺らして、ランプの光を見つめていた。
