デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

サラサラとその藍色の髪が、上下に向かい合う顔を外界から隠すように流れ落ちた。

そっと、唇が重なる。

それは始めは優しく、そしてだんだんと熱を帯びて深いものになっていく。

「んっ……ん…」

恥ずかしくて小刻みに震えるが、静かながらいつになく有無を言わさない雰囲気の彼に逆らえない。

唇が離れて、紫の瞳が熱っぽく細められたかと思うと、長い人差し指が、代わりにゆっくりと桜の口内に入って、その舌に届いた。

舐めよ、と言わんばかりのその仕草に、ますます真っ赤になってギュッと目をつぶった。

「……嫌か?」

指を外し、小さく、しかし深い響きの声で、そっと聞かれる。

桜は眉根を寄せて、潤んだ瞳を少し責めるように王に向けた。

(そんな聞き方、ずるい)

「嫌って、いう……か……ものすごく恥ずかしいです」

たまらずに、ふるふると小さく頭を振って言う。

その様子に、ゾクリと体の芯の熱が煽られた。