デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

ボスン、という衝撃に、思わず目をつぶった。

「いたた」

こけちゃった…と思いながら目を開けて、うつ伏せた身を少し起こした。

と、王と目がかちっと合う。

(へっ?)

一瞬の空白の後、自分が倒れ込んだのが寝台ではなく、そこに仰向けに倒れた相手の上だということに気づいた。

王が少し上体を起こして、桜を見つめている。

「きゃっ!!ご、ごめんなさい!」

この体重で、このきれいな人に思い切り乗ってしまったと青くなったあと、耳まで赤くなった。

あわてて寝台に手をついて体を外しながら起き上がろうとした。

が、ひんやりとした手が、桜の手をそっと捕まえた。

「あ……」

「…………」

桜とは対照的に、じっとその瞳が静かに、熱を持って彼女を見ている。

指を絡めて、きゅっと握る。

ゆっくりと身を起こしたが、その眼差しは桜から外されなかった。
桜も目を逸らせずに、そのまま王の傍らに座る。

「………愛している」

ポツリと、しかしはっきりとした声で黒の瞳を揺らす少女に告げた。

「!」

また白い顔が真っ赤に染まり、見開かれた目がまばたきを多くした。