デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

「……何故だ」

しばらく時間がたち、何度めかわからないくらいのその言葉を呟いて、すぐに落ちてしまった紙飛行機を拾い上げながら、むうっと桜の手から優雅に飛び立つそれを見た。

(王様にも苦手なものってあったんだ)

意外と手先が不器用なのかな。

そう思って、何だかおかしくなって桜はまた笑った。

桜は桜で、独りぼっちだった時間が長すぎたから、小さい頃に紙飛行機はよく飛ばしていた。

「王様と私じゃ、極め方が違うんですよ〜」

戸口から、余裕で部屋の奥にある寝台の上にストンと着地した機体を見て、ますますムキになる。

「……神力なら、地の果てまで飛ばせるものを」

「それはズルです。ふふふ……地球の科学の勝利ですね」

少しすまし顔で紙飛行機を取りに行く桜。

「そなた、もう一度そのカミヒコーキを見せてみよ」

それを追う。

「何度も見せたじゃないですか。大事なのは翼の角度と、胴体のバランスと、飛ばし方ですよ。王様は習ったばっかりなんですから、上手く飛ばせなくて当たり前ですよ」

苦笑いすると、唇を少しとがらせながら、

「いいや、この世界の為政者として、カガクの使い手に負けたままではいられないのだ」