デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

「ええ。こんなに広いお部屋だから、できるんじゃないかな………でも」

少し言いよどむ桜に、「ん?」と首をかしげる。

「行儀悪いって、怒らないでくださいね」

恥ずかしそうに笑うその顔に、またドクリと心臓が震えた。




紙をたくさん持ってきてもらった桜が作り始めたのは。

「…………何だ、これは」

「紙飛行機です」

「カミヒコーキ?」

目をしばたかせる王に一度笑って、すいっ、と空間にそれを飛ばした。

なだらかな軌跡を描いて、部屋の向こうに静かに着地する。

「……………」

聡明な頭脳を持つこの人が、まるで小さな子供のような目の輝きで、

「………そなた、もしや神力が使えるのか」

大真面目にそんな事を言うから思わず吹き出した。

「たくさん折り方があるんですよ。私は二通りしか知らないけど……お教えしますね」

こっくりうなずく彼に、またふふっと笑う。

「で、競争しましょう。どっちが遠くまで飛ばせるか」