デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

艷やかな紺碧の髪と、こちらを乞うようにじっと見つめる紫の瞳。

(……王様)

聡明で、美しくて、優しい人。

でも時々驚くほど脆くて、自信なげで、そして永遠に孤独な人。

(………)

やっぱり自然と真っ先に浮かんだその人を思うと、戸惑いと一緒に、きゅっと胸が絞まるようにわずかに痛んだ。



一人で自分を掘り下げている間に、いつもの戸の前に来た。
桜の胸中など露知らず、女官がさっさとそれを開けてしまう。

(はあ…何か緊張しちゃうよ)

揺れる心のまま、なるべくいつものように振る舞おうと顔を上げた。

「王様、こんにちは」

笑顔を作って部屋に入る。

自分が彼女の心を波立たせているとも知らずに、彼は相変わらず美しい微笑みを浮かべていた。

「桜」

名前を呼んで、そっとその手を取る。

(う…)

いつにもまして、ぎこちなくなった。