デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

苦笑いして言うと、ルネが少し考えて桜に言った。

「桜様、そういえば今朝カナン様をお見かけしましたけれど、雨にびっしょり濡れてらっしゃいましたわよ」

「え…」

どうやら、攻略法を変えたらしい。それを察知したフラウも、話を合わせた。

「ああ、そうですわ。急いでお着替えだけはなさったようですけれど、御髪はまだ濡れてらっしゃいましたわね。乾かす時間もなくて、拭くものもなくて、多分まだそのままじゃないかしら」

まあ、あながち嘘ではない。だから、二人はにっこり笑って言った。

「あのままだと、お風邪をお召になるかもしれませんわね」

「…………」

外の激しい雨、真っ暗な空の様子と相まって、またにわかに心配になる。

朝餉の膳を見て、少し迷った挙句、二人に聞いた。

「下膳が少し遅くなっても、大丈夫ですか」

「「ええ!」」

部屋の奥から、フェイスタオルくらいの布を持ってきた。

「あの、申し訳ないんですけど……カナンがいるところまで案内して頂けますか」

「かしこまりました」