デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

挨拶をして、二人と一緒に部屋に入る。

「すごい雨になりましたね。朝大丈夫でしたか?」

桜が聞くと、二人ともポッと頬を赤くした。

「ええ…私は、彼の傘とマントに一緒に入って来ましたの…」

「私も……」

「なあんだ、ラブラブじゃないですか!」

ふふ、と桜も首をかしげて笑った。

「でも雨の日は臣下は皆大なり小なり濡れてきますから、まずは公宮に着いたら着替えからなんですのよ」

ルネが苦笑いする。

「え、そうなんですか」

「ええ、濡れたままのみっともない格好で、我が君の御前に出るわけには参りませんから…。床も濡れてますから、掃除をする小者も走り回って、慌ただしいですわ」

フラウもうなずいた。

(そっか……)

「じゃ、やっぱり邪魔だな。行かなくて良かった」

うん、と一人納得する桜。

「え?」

ルネが目をしばたかせた。

「ああ……カナンが大丈夫だったかなって思って。髪とか濡れてたら、拭くのがあればいいけどな、って思ってたんです」

なんの気なしに言った言葉に、二人は目配せしあってうなずいた。