デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

二人がそんなことを言うものだから、その後カナンが迎えに来たときには、何だかどぎまぎしてしまった。

(昨日…ぎゅってされて、ほっぺにキ…キスされたしな…)

「どうした、桜?」

やたらそわそわしている彼女を、戸口のところでのぞき込んだ。

「きゃっ」

顔を赤くして、小さくとびすさる。

「何だよ」

怪訝そうな顔をする彼に、慌てて首を振ってみせた。

「な、何でもないの」

「何でもないって顔じゃないだろ」

「〜〜っ、だって、フラウさんとルネさんがあんな事言うから」

「誰だ?それ」

「いつも、ごはん運んできてくれて、色々教えてくれる女官さん」

その言葉に、昨日のあの二人の女官を思い出した。

「ああ……」

なんとなく察して、ニヤッとする。

「何て言われたんだ、言ってみろ」

「やだ」

「言え。言わないともっと恥ずかしい事するぞ」

スッ、と両手を桜の後ろの壁につき、その腕に閉じ込めてクスリと笑った。