デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

「シディさん……」

「大体、子豚で女子力限りなくゼロで顔も頭もマズイとは言ってもよ、アナタ、女のコじゃないの!厩舎の仕事ですって?メイクは出来ないし、きっと手あれだってするわ。馬の臭いだって付くじゃないの!」

パチ、と両手で桜の頬を挟んだ。

「おまけに乗馬?落馬して肌に傷が残ったらどうするのよっ!他がマズいなら、せめて振る舞いだけでも女らしくなさいよ!男の真似事なんか、するんじゃないの!」

いつものヒステリーではなく、真剣に桜の目を見て叱っている。

だから、桜も何とか分かってもらおうと心を決めた。

「きちんとお風呂に入りますし、必ず肌の手入れもします。仕事をするとき以外はメイクもしますし、宮にいる時はワンピースを着ます。約束しますから」

「ダメよ!絶対ダメ!私の仕事の流儀に反するわ。男だろうが女だろうが、それを着る人間を一番輝かせる服じゃないと、絶対作らないわ!!」

腕を組み、横を向いた。

「………」

桜は言葉につまる。

「さ、バカな事言ってるヒマがあるなら、早く帰って半身浴でもなさい」

話は終わりだとばかりに、髪紐の編み図をタンタンと整えて桜に渡した。