デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

「理解できないわッ。なーんでアナタみたいな子豚がいいのかしら、我が君も、あの二人もっ!」

ギリ、と胸に差していたチーフを八重歯で噛む。

「そうですよねえ……って、何で知ってるんですか!?」

ズザッ、と後ずさる桜を睨みつけて、フン、と鼻を鳴らした。

「アナタじゃないんだから、わかるわよ、そのくらい!」

そして、ニヤッと笑う。

「この間貸したワンピースの効果はどうだったかしら?」

やっぱりわざとか。あの露出の高いのは。

「もう、大変でしたよ。恥ずかしいし……」

小さく抗議する桜に、ホッホッホッ、と高笑いして満足そうにうなずいた。

「さすがアタシ!効果はテキメンねっ!あとはヘアを仕込むのと……アナタに合った香りを選ばなきゃ」

フフフ……と地獄の使者のような低い声で目を光らすシディに、たじたじになる。

(はあ……このシディさんにシャツとパンツを頼まなきゃいけないとは)

が、乗馬をするためだ、頑張ろう。

意を決して、「あのう…」と話しかけた。

「なぁによ、子豚。まだ何か用?」

クネ、と腰をひねるシディに、手を合わせた。