デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

半分逃げるように部屋に帰り、はー……と息をついた。

(すんごい疲れた………)

いきなり、純潔の危機だった。

自分を熱っぽく見ていたあの目が思い出されて、恥ずかしさに悶絶する。

(それに、なんでヤキモチなんかやいたんだろう、私)

ソファに座って、赤い顔のまま考えた。

(ずっと放ったらかしにされたからかな。それとも……)

王様の事が、好きになってきてるのかな。

これが、もし他の人ならどうだろう。王様以外の人なら、やっぱり面白くなくて、妬いちゃっただろうか。それとも平気だっただろうか。

シュリとアスナイの事を思う。

(二人はすごくモテるって聞いたけど、それには何とも思わないんだよなあ。『そりゃそうだろうな』って思うだけで)

でも、実際二人が女性に囲まれたところを見たことないから、何とも言えない。だって薄紅女官の事だって、話を聞くだけなら大してどうとも思っていなかった。

(まてよ……そもそも、あれはヤキモチだったのかな?)

『自分にあれだけ好きって言ってたくせに、他の女の子にもいい顔するなんて、サイテー』という、単なるバカにされたという怒りかも知れないではないか。

(…だって、『嫉妬だ』って指摘したのは王様だし。私が自分で思ったわけじゃないし)

そんな考えも湧いてきて、よくわからなくなる。

慣れない事を考えながら、ぼんやりと夕日がさす窓を見ていた。