デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

「……そなた、妬いていたのか」

王の心底驚いたような声に、固まる。

かああっと顔に熱が集まって、ブンブンと顔を振った。

「違います!違うもん!」

涙目のまま、フードをつかんで顔を隠すようにぐいっとより深くかぶった。

でも、心にストンと落ちる納得を、無視できない。

(やきもち!?私が、王様に!?何で……?)

混乱と恥ずかしさで、顔が上げられなかった。

「………」

彼は彼で、顔を淡く染めて、片手で口元をおおっていた。

初めてのパターンだ。大きく戸惑うが……

じわじわと、抑えきれない嬉しさが湧き上がってくる。

あの不機嫌な様子が思い出されて、どっと愛おしさで心が満たされた。

「そうか、私とあの娘たちに、妬いていたのか……ふふ」

恥ずかしすぎて、また泣きそうになる彼女を、強く抱きしめた。
そっと、その真っ赤になった顔を上向かせる。

くすっ、とくすぐったいような微笑みを浮かべた。

「……バカだな、全く……」

そう言って、軽く唇を桜のそれに落とした。