デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

「………だから、可愛い女の人を選べばいいって、この間も言ったじゃないですか」

この期に及んで、まだこんな可愛げのない事を言ってしまう自分が嫌だ。
だけど、もう目に溜まった悲しさは、決壊寸前だった。

そうとは知らず、ムカっとして立ち止まり、王は振り向く。

「まだ言うか、いい加減にせよ。そういう所が――」

可愛くないんだ、と言いかけて、固まった。

大粒の涙が、赤い目からぼろぼろこぼれて、乾いた地面に黒いシミを作っている。

「さ………」

驚いて、目を見開いた。

「だって、だって、キレイでかわいい子達に囲まれて、嬉しそうにしてたじゃないですか」

「え…?」

「私に贈る物を選ぶのに、なんであんなにずーっと他の女の子たちと一緒に選んでたんですか」

これは、もしや。

王は信じられない気持ちで、桜をのぞき込む。

「私がいないならまだしも、目の前にいるのに、何で一緒に選んでくれなかったんですか。可愛くないからですか?悪かったですね」

もうヤケになって、モヤモヤを吐き終わった桜は、真っ赤な顔でプイと横を向いた。